続き
「揃ったところで、かんぱーい」
3度目の乾杯が執り行われる。
「俺は外資銀行で大学はアメリカの〇〇、住んでるところは西麻布だよ、宜しく」
というプロフィールと共に会話が進む
(アメリカだけどめっちゃ田舎の大学じゃん…どこだよ…西麻布とか芸能人気取り?交通の便悪いのによく住むね…えっ会社港区じゃないのに住んでんのうける笑笑)
アラサーババアになると純粋な心が消え、醜い心でこんなことを考えてしまうのだ。
乾杯のたびにこんな不毛な事いつまでしなきゃいけないんだろう、とふと冷静に頭によぎる。
新卒の頃はこの乾杯が楽しくワクワクした。しかしアラサーババアになるにつれ、どんどん乾杯で心がすり減って行くような気がしていた。乾杯するにつれて男性への目が厳しくなり、理想が高くなるような気がした。
友達と会えるのも楽しい、初めましての人と話して色んなことを知れるのも楽しい。しかし周りの落ち着いている友達と比較すると何かが虚しくなると同時に惨めさに襲われる。
そんな中今日もお食事会の誘いを受理するのだった。